アンコールの北東、バンテアイ・スレイの12
キロメートル東にあるストゥン・クバール・
スピアン川。
この川岸や川底の砂石には、インド神話を
モチーフとした彫刻や碑文が見られ、水中
遺跡と呼ばれる程の珍しい遺跡があります。
この遺跡の情報を知った時、とても魅かれ
るものがあり、即行くことを決めました。
こちらはバンテアイ・スレイと同様、アン
コールワットの1日パス券や3日パス券など
で入山することができます。
遺跡に行くには山道を40分程歩きます。
上流にはトイレがないので登る前に済ま
せておいた方がいいです。
12月でも30℃もあり、山道は岩や木の根
で足を取られて転びやすいです。
時々休憩所が設置されているので(壊れ
ている所もありますが)水分補給しなが
ラトレッキングした方がいいです。
日陰に入ると涼しく鳥たちの鳴き声に癒さ
れました。
途中、道の真ん中でしきりにしっぽを振っ
てこちらへやって来た白い色の犬に出
くわしました。
「僕の友達のソウちゃんだよ。」
と嬉しそうに紹介するガイドさん。
ここから先はソウちゃんが道案内してくれ
るそうです。
時々ヘビやサソシが出て来ると教えてくれ
るお利口なワンちゃんで、他の犬はそう
いう事はしないのだと。
先頭を進むソウちゃんは時々立ち止まり、
私達の方を振り返って待ってくれました。
ところがある分岐点で私達は右側へ行く
のに対し、ソウちゃんは左側へ行ってしま
いました。
「あれ??」と不思議に思っていたら、ガ
イドさんが
「この先は茶色の犬がいて、ソウちゃんと
ケンカするので、ソウちゃんは左側の道か
ら行って、上で合流します。」とフォロー。
本当に先には茶色の犬が待ち構えていました。
その先を進み、遂に川へ到着。
ソウちゃんを発見!既に寛いでいました。
さて、肝心の遺跡ですが、乾季だけに水量に乏し
く、遺跡がまる見えで、これはこれでちょっと
風情さに欠けておりました・・・。
しかし、浮き彫りにされたレリーフは
どれも見事です。
アンコール・ワットが建設される少し前の
時代、スーリヤヴァルマン1世(1002~1050
年在位)と、その甥の息子にあたるウダヤー
ディチャヴァルマン2世(1050~79年在位)
の時代に作られたものと言われています。
(世界維持の神)、ブラフマー神(創造の神)
の他、ラクシュミーや動物達、リンガと呼ばれ
るシヴァ神をあらわす男性器の象徴した彫刻
「リンガ」が1000本もあります。
女性の場合は「ヨニ」という彫刻で表現されて
おり、バンテアイ・スレイでもありました。
私はこちらの寝そべっているように見えるブ
ラフマーが気に入りました。
実際は蓮の上に座って瞑想している様子です。
(ブラフマーは4つの顔を持っています)
シヴァ神の法力により、リンガの上に流れた
水は清められ聖水となり、病気も回復したと
伝えられていた為、人々はこの水を汲みに来
たり、古代の王や人々はここで沐浴をしてい
たそうです。
沐浴している姿はビジョンで捉えませんでし
たが、砂石を運んでいる光景は一瞬見えまし
た。
雨季の時はおそらく見えないであろうリン
ガの場所に立っていたソウちゃん。
中には修復されているものもありますが、
どれも素晴らしく立体的に際立っていました。
ガイド犬のソウちゃんが上流で休んで
いる間、下流方面へ移動。
この大きな岩にもレリーフが刻まれています。
先へ進むと、倒木のところにヘビが現われました!
これはナーガの化身かと思いましたが💦
意味ありげにこの場所でウロウロしてい
ました。
神の使いだったようで、ここでお仕事の
依頼を受けました。
どうやらこの先の事を言っているよう
です。
先に進むと大きな岩の下に神様を祭った
小さな祠がありました。
そこは邪気のたまり場になっていて、
邪悪な存在に乗っ取られたような状況
でした。
そこで陰陽師で断ち切り浄化させてい
ただき、光を降ろさせて頂きました。
結構厳格な所だったので写真は撮りま
せんでした。
更に先に進むと滝の場所に出ました。
水量が少ない為、滝っぽく見えませんが、
浅瀬の川には小魚もいて、蝶やトンボも
飛び、神聖なエネルギーで溢れておりま
した。
また、岩がとても美しくパワーを感じました。
アンコールワットの遺跡の岩はここの
砂岩を運んでいるそうです。
一通りワークも終えたので下山することに。
この階段は昨年の11月に出来たばかりで、
ソウちゃんの足跡が刻印されていました(笑)
下へ降りてランチタイム。
他には衣類等のお店があり、店員さんが
売り込みに来ます。
ガイドさんが、ソウちゃんに「一緒に
下まで降りてきたらご飯あげるよ。」
と言っていましたが、降りてきません
でした。
ところがお店で昼食後のんびりしてい
たら、ガイドさんの足を何度も叩く犬
がいて、良く見たらソウちゃんでした。
ガイドさんにご飯をおねだりしに来た
のでしょうね。
結局、お店の人からご飯をもらったようです。
もっとじっくり見たい所で、多分ここ以外に
もありそうです。
雨季に行くと水底の彫刻が見えず、乾季は水
が少量で雰囲気に欠けるので、11月~2月位
がいいそうです。