クメール語でアンコール(angkor)は王都、
ワット(wat)は寺院を意味することから
「王都寺院」であるアンコールワット。
カンボジア国旗の中央にも同国の象徴とし
て描かれています。
日の出を見るには早朝5時にホテルを出発。
既に凄い人でした💦
西を正門とする大寺院で太陽をバックに
配されています。
ー教の神々の住むメール山に見立てられ
たアンコールワット中央塔の真上から太
陽が昇りるよう設計されています。
獅子とナーガ
敷地は南北約1.3km、東西約1.5km、幅約
200mの塀で囲まれ、巨大な石像寺院には
各所に女神たちや神話のレリーフが刻ま
れており、年間700万人近い観光客が
訪れる世界屈指の遺跡です。
アンコールワットは12世紀後半にヒンド
ゥー教寺院としてスーリヤヴァルマン2世
によって数十年を費やし、メール山を形ど
り建設されたそうです。(未完成の部分あり)
西側に配された女神は装飾が美しいです。
<特殊な刀と技法>
そして堀の深く繊細なレリーフは素人
の私でも大変な作業だったと分かる程
ですが、複数本の特殊な刀を用いて彫
っていたと思われる程、切れのある描
写です。
バンテアイ・スレイも素晴らしかった
ことを思い出しましたが、こんなに
完成度が高い作品を沢山作れる人が何
人もいたのでしょうか?作るだけでも
かなりの年数を費やす筈です。
なぜアンコールワットへ訪れる人が後
を絶たないのかというと、細やかなレ
リーフや洗練されたデバターだけに留
まらず、計算された建築技法が素晴ら
しいからです。
<世界一の石造建築>
横の梁は右奥の縦の柱と一体でL字型の石
というのも特徴。L字の曲角を削り、梁の
石が乗っかるようにしています。
他の遺跡と明らかに違う点は、きれいに同
じ平面水準を保っていて、石と石との継ぎ
目が目立たないように出来ているという点
でした。
これは素人の私が見ても、最初に感じた点
でした。
また、アーチ型の天井も左右の石の重さと
位置が同じで応力が均等であるのが条件で
設計されています。
約900年も前なのにこの精度の高さは凄い
ですね!
世界一の石造建築と讃えられるのも頷けま
す。
十字回廊
彩色跡があるレリーフ
<江戸時代にアンコールワットへ訪れた日本人>
一房うこんだゆうかずふさ)が、憧れの祇園
精舎(インド中部の仏教寺院で、釈迦が説法
を行った場所)を目指し、たどり着いたのが
ここアンコール・ワットだったそうです。
勘違い?だったのですが、ここで一筆柱に
旅の記録や父母の幸福を願って4体の仏像を
奉納したことなどを記したそうです。
「御堂を志し数千里の海上を渡り」
「ここに仏四体を奉るものなり」
※右上の方です。
今は墨で塗りつぶされていますが。
第一回廊西面
<連子窓の柱の秘密>
アンコールワットの連子窓(れんじまど)は
、菱形の細長い石でそろばんのような形状。
通常は 採光、通風、防犯が目的ですが、それ
だけではありません。
この「柱は7つ」あります。
左から
1番目は12月
2番目は1月と11月
3番目は2月と10月
4番目は3月と9月
5番目は4月と8月
6番目は5月と7月
7番目は6月
を意味しています。
この柱によってできる影が示す位置で、
日照時間が分かるよう設計されている
のです。
そして何と言っても回廊には叙事詩の物語
をモチーフとしたレリーフが見応えです。
古代インドの大長編叙事詩
「ラーマヤナ」
ラーマーヤナ物語は主人公のラーマ王子
の少年編、アヨーディヤー編、森林編、
キシュキンダー編、華美編、戦闘編、
終末編の全7編2万4千の詩句より制作
されています。
第一回廊西面北側の壁面
<猿軍とアスラ軍との戦い>
この回廊では主に(羅刹王)ラーヴァ
ナに誘拐されたラーマ王子の妃シーター
を奪還する物語の戦闘シーンが主に描
かれているようです。
サル軍とアスラ軍の戦い
ハヌマーン将軍が率いるサル軍が王子の
援軍として活躍しています。
猿神ハヌマーンの上に乗り、
弓を引くラーマ王子
羅刹王ラーヴァナ
10の頭、20の腕を持つ。
左側2人の男性
ラクシュマナ(ラーマ王子の弟)
ヴィビーシャナ(羅刹王ラーヴァナの弟)
羅刹王ラーヴァナの弟が何故一緒に
いるのかというと、ヴィビーシャナ
は心正しい羅刹天で、兄の非を責め
て、シーターを返還するよう説得し
ますが、聞き入られなかったため、
部下を連れてラーマ軍に投降、
兄ラーヴァナの軍勢と戦いました。
終戦後、ヴィビーシャナはランカ
ー島の王となりました。
ここでまだまだ叙事詩のモチーフを観た
い所でしたが、今の時間帯は第三回廊が
もしかしたら行けるかも!というガイド
さんの案内で、先にそちらへ向かいまし
た。
アンコールワットが一年の中で一番混む
時期は年末年始。
そんな時期に人数制限がある第三回廊へ
行くのは無理だろうと最初から諦めてい
たのですが、なんと通常20分以上待つと
言われているところを15、6分で入れて
しまいました。続く。